温泉でゆっくりし、斉藤上太郎氏デザインの可愛い着物を着て、ホカホカと地下1Fのダイニングにやってきました。
日本風にアレンジされた創作フレンチ…たくさんの「ビックリ」!
この記事では、そんな「星のや東京」の夕食について詳しくお届けしたいと思います。
世界第3位のシェフ「浜田統之」
さて、まず皆さんにお伝えしたいのは、シェフのコト。
なんと、「星のや東京」の夕食を手掛けるのは、なんと、あの浜田統之(はまだのりゆき)さん!
引用 Value Press
星野リゾートファンの方ならご存知の方も多いと思うのですが、浜田さんは、軽井沢のホテル「ブレストンコート」にあるフレンチ「ユカワタン」の総料理長だった方で、2013年には、ボキューズ・ドール国際料理コンクール 世界3位銅賞を獲得した実力の持ち主なんです。
わたし、ユカワタンにずっと憧れていたので(同ホテル内の別レストラン ノーワンズレシピの朝食は食べたことがあるんですが…いつか行くぞー!)、本当に嬉しい!
地下1Fダイニングへ
…というワケで、レポに戻ります。
エレベーターに乗り、B1Fへ。
「地層をイメージした」という、雰囲気ある内装のフロアです。
大きな御影石は、その姉妹石?が「星のや軽井沢」に置いてあるそう。
そういえば、ここ「星のや東京」は、フロントのデザインや温泉のデザインも軽井沢と同じ。
満を持して開業した「星のや東京」だけに、「軽井沢 星野温泉への原点回帰」のような意味合いもあるのかもしれないですね。
個室でした!
席に通されると、そこはなんと個室。
特にお願いしたワケではないので、基本、全室「個室」「半個室」になっているダイニングのようです。これは嬉しい。さすが「星のや東京」。
お品書き?というか、テーマと素材がかかれたカードを見ながら、フレンチのコースがスタートしました。
「星のや東京」夕食の内容
それでは、コースの内容を見ていきましょう♪内容は、季節によってかなり変わっていくので、参考まで~。
白樺樹液
まずは、白樺樹液で喉を軽く潤します。
別のフレンチレストランでも飲んだことがあるのですが、今回いただいたものは甘みと独特の味がありました。美味しいね。肌にもいいんだそう。
そして、お酒がいただけない私が別でオーダーしたのが、白ワイン用のブドウで作られたスパークリングジュースSECCOLINO ZERO。
1杯1,200円だったかな。コレ、ほんっとうに美味しかったので、自宅に取り寄せてしまいました。(楽天市場の酒屋さんで売ってましたよー!)
前前菜は炭と魚のおせんべい。器にもこだわり
アヴァンアミューズ(前前菜?)として出てきたのはコチラ!
ラグビーボウル型の変わった器に差し込まれるように置かれているのは”炭と魚の骨を混ぜて作ったおせんべい”。
白く見えるのはバッカスチーズです。
懐紙で包んで手に持ちパクっといただきます。
ピックに刺さっているもじゃもじゃとした黒いのは、「マツモ」という藻をくるまれたハンバーグのようなもの。
ちなみに…このアヴァンアミューズで使われている↑こちらの器、なんと、”「星のや東京」が建つ前にあった酒井家の上屋敷”の木材を使って作られているそう。
「お払いも済ませておりますのでご安心ください^^」とスタッフさん。
ちょっとした質問でわかった事実…実は、こういった小さな”アミューズ”がまだ他にも隠れているんでしょうね。
前菜は香茸づくし
アヴァンアミューズが終わったら、アミューズ。前菜へ。
大きなワイングラスの中に見えるのは、香茸を使ったベシャメルソースのライスコロッケ。
そして、グラスのお尻に注目!
乗っかっているのは、これも香茸が入ったチョコレート。
チョコ、コロッケを食べた後は、グラスに、これまた香茸のコンソメスープが注がれ、後味までも香茸の風味に包まれます。いずれも絶品。きのこLOVERはほんっとたまらないと思いますよ。
鹿のカルパッチョでコーススタート
やっと、お品書きに載っているコースメニューがスタートしました。
桜の葉っぱの帽子を開けて現れたのは、鹿のカルパッチョ!
星のや富士でも、迷わず鹿をチョイスした私にとっては、テンションのあがるいっぴん。
茗荷や紫蘇が使われた薬味もいい仕事してます。
ユカワタンで見たヤツだ!「石」のアミューズブーシュ
お次に出てきたメニューに、今日イチの興奮!
前述した、星野リゾートのホテル「ブレストンコート」内「ユカワタン」でおなじみの、”石を使ったアミューズブーシュ”!
ここでお目にかかれるとは~~っ。
お品書きの「5つの意思」は、「石」ともかかっているんですね。
ブータンノワール、それから牛テールのコロッケ、それから栗のピューレ&レバーペーストなど、この1皿の中で、まるでコース仕立てになっているようなメニューです。
リンゴと毛ガニ
「フルーツを一番おいしく食べるのは、やっぱり生です……ってのは冗談でございます^^」
とサーブされたのは、リンゴの器に隠されたカニのシャルロット。
シャルロットの上部分は、まるでお花畑のように作られていて、ホント可愛い!どんだけ手が込んでるの…という感動と共にいただきます。
周りが薄切りリンゴ。中には蟹肉だけでなくウニなんかも入ってます。
底の部分が柑橘系の酸味ある生地で作られているので、味のバランスがすごくいい。
実はコチラ、NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」の浜田シェフ回(2017年2月20日放送)の時、代表作として登場した一皿。「リンゴの味と食感を極限まで引き出したこの料理は、完成までに3年を費やした。」と紹介されました。
初めて食べた!生の栗を使ったポタージュ
シャルロットの後はポタージュ。
甘みのある栗のポタージュは、女子歓喜のお味。
生の栗が使われているのが面白いんです。ポリポリとナッツのような食感と味わいがアクセントに。
スパイシーな蕎麦の実が衣!鰆と柑橘
魚料理は、鰆(さわら)でした。
確か、浜田シェフは魚料理が得意だったはず…という事で期待が高まります。
このお料理の面白い点は2つ!
まず、鰆の周りに使われている衣が、蕎麦の実なんです。これはシェフが信州(ユカワタン)に長くいたからこその食材でしょうか?
カリカリさくさくな食感とスパイシーな味付けがたんぱくな鰆を引き立てる~。
ソースも珍しくって、なんと鶏。魚に鶏。
これまた鰆がその味に染まって絶品。横の柑橘ピューレ、それから焼いた摘果みかんの酸味がアクセントになって、最後までまったく飽きずに楽しめます。
いうことなし…!松茸と和牛のパイ。ナイフにも注目!
このコースのメイン?でしょうか。お料理の最後に出てきたのは、松茸と和牛を湯葉で包んだパイ包み焼き。右のキュートな帯は大根のピクルスです。
松茸と牛が、ミルフィーユ状にぎゅうぎゅうと詰められていて、通常であればなかなか食べづらい一品…という事になりそうなのです…が!
ここで活躍するのが「RYUSEN JAPAN」。
ステーキナイフが5年待ち…という、知る人ぞ知るブランドです。「ガイヤの夜明けで見た!」という方、いらっしゃるのでは。実は私も以前から知っていて、ここ「星のや東京」で出会えて、かなり興奮しました。
とにかく切れ味が素晴らしく、「湯葉で巻いて揚げた」なんていう、いかにも切りづらいお料理も↓この通り。
RYUSEN JAPANのナイフは、浜田シェフが前述のコンクールに出たときにも使用した逸品なんですよね。(「ガイヤの夜明け」はその時の様子を放送。審査員の人も気に入って持ち帰っちゃったりしていた。)
スイーツ三部作スタート。最初は和梨
さて、ここからスイーツ(デセール)部門がスタートです。
最初に出てきたのは、黒い器に入れられ、ブラックペッパーがかけられた和梨。
梨を食べ終わった後、スタッフさんから「10秒目をつぶってください」と言われ、目の前に現れたのが↑写真左側のブランマンジェ。
器の底に隠されていたんですね…。こういう小さな仕掛けがとにかく楽しい。
焼酎のアイスとミルフィーユ
スイーツ2品目は、無花果と焼酎を使った一皿。
焼酎のアイス、そしてキャラメルとキルシュが使われたミルフィーユ、生の無花果…
葉っぱに見えるものは栗で作られていて、もちろん全部食べられます。
焼酎のアイスが深い香りと風味を持ちながらさっぱりしていて、お食事の終盤にふさわしい。
「おたのし実」でフィニッシュ
いよいよ最後のお皿。スイーツ3部作ももちろん完結。
最後の最後まで、楽しませすぎ&手が込みすぎ!(笑)
一口サイズのガトーたちは、ギモーヴやマカロンという外国のスイーツながら、大徳寺納豆や抹茶、蕎麦、生姜など、日本らしい食材が中心になっていました。
「日本のフレンチを世界に広げることが使命」だという浜田シェフらしい最後。本当に感動。
お腹の具合も、通常のコース料理と比べ、いっぱいになりすぎずにちょうどいい感じなのも、さすがの一言です。最後の最後まで楽しめる。
いままで各「星のや」で夕食を楽しんできましたが、やはりここが1番ですね。
(もちろん、お値段も飛び抜けて高価ですので、当たり前なんですが。)
さて次回は、ここ星のや東京のを語る上で欠かすことが出来ない、そのコンセプトを体現したようなスペース「お茶の間ラウンジ」について詳しくご紹介したいと思います。お楽しみに♪